2025.07.14肩関節脱臼

🦴【肩関節脱臼とは?】

肩関節脱臼とは、肩の骨(上腕骨の骨頭)が肩甲骨のくぼみ(関節窩)から外れてしまう状態をいいます。
肩は可動域が広く自由に動く反面、構造的に脱臼しやすい関節です。


✅【脱臼の種類】

最も多いのは「前方脱臼」で、全体の90%以上を占めます。

脱臼の種類 特徴
前方脱臼 腕が後ろに反った状態で倒れたり、転倒時に発生しやすい
下方脱臼 腕を上に挙げた状態で受傷
後方脱臼 電気けいれんやまれにスポーツ外傷で発生

🧠【主な症状】

  • 肩の関節が変形して見える(肩の丸みがなくなる)

  • 激しい痛みと腕の可動制限

  • 腕を上げられない・下げられない

  • 神経や血管が圧迫されると、しびれや冷感が出ることも


🥋【みやび接骨院としての対応】

① 【整復(脱臼を元に戻す)】

  • 整復法:ヒポクラテス法・ミルヒ法・コッヘル法など

  • 状況や年齢、筋緊張の状態により最適な整復法を選択します

  • 患者さんの安全を最優先し、整形外科への紹介が必要な場合も判断します

② 【整復後の固定】

  • 三角巾やアームスリングで2~3週間安静固定

  • 肩関節が再び外れないようにサポート

③ 【リハビリ・予防指導】

  • 三角筋・棘下筋・肩甲下筋などの筋力回復トレーニング

  • 再発予防のための姿勢改善や肩甲骨の安定性トレーニング

  • 日常生活・スポーツ復帰への段階的な運動指導


🔁【反復性脱臼について】

若年層(特に10代後半〜20代前半)で一度脱臼すると、その後繰り返す「反復性脱臼」になりやすいのが特徴です。

● 対応としては:

  • 筋トレと動作改善による保存療法

  • 反復性が強く、日常生活にも支障が出る場合は**整形外科で手術(関節鏡下の修復術)**が検討されます


⚠️【注意点】

  • 整復後も、無理な動きや早すぎる復帰は危険

  • 神経損傷(腋窩神経麻痺など)を見逃さない

  • 2回目以降の脱臼は予防とトレーニングが非常に重要


📝【まとめ】

肩関節脱臼は、初回整復とその後のリハビリ・再発予防が非常に重要です。
柔道整復師は、安全な整復、早期回復、予防までを見据えてサポートします。

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