2025.07.14バスケットボールプレー中の「前十字靭帯損傷」

🏀【前十字靭帯損傷(ACL損傷)とは?】

前十字靭帯(ACL:Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節の中で太もも(大腿骨)とすね(脛骨)をつないでいる靭帯です。

この靭帯が損傷または断裂すると、膝がグラついたり、スポーツ動作に支障をきたす重篤なケガになります。


❗【バスケットボールでの主な受傷動作】

  • ジャンプ後の着地時に膝が内側に入る

  • ストップや急な方向転換(切り返し)時

  • 無接触(誰ともぶつかっていない)でも発生しやすい

  • 接触プレーでの膝のねじれや圧迫


🧠【主な症状】

  • 受傷時に「ブチッ」「ポキッ」という音を感じることがある

  • 強い膝の痛みと腫れ(関節内出血)

  • 膝がガクガクする感じ(不安定感)

  • 膝が伸びきらない、曲がらない

  • 数日後に痛みは軽減するが、運動再開時にグラつきが残る


🩺【柔道整復師としての対応】

※完全断裂が疑われる場合は、整形外科への紹介が必須です(MRI検査・手術判断が必要)

🔎 評価・観察

  • ラックマンテストなどで靭帯の緩みを評価

  • 腫れや圧痛、可動域のチェック

  • 他の靭帯損傷(内側側副靱帯、半月板)との鑑別

🔧 応急処置・保存的対応(軽度損傷・術後リハ対応)

  • RICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)

  • 膝周囲の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリング)への筋緊張緩和や可動域回復

  • サポーターやテーピングで膝の安定性をサポート

  • 筋力バランス・動作の修正指導(ニーイン防止など)


💬【注意点】

  • 完全断裂では保存療法のみでの競技復帰は難しい場合が多く、手術が推奨されることが多いです。

  • 再発予防のためには、体幹・股関節周囲のトレーニングや着地動作の改善が不可欠です。

  • 成長期や女性アスリートはリスクが高いため特に注意が必要です。


✅【まとめ】

前十字靭帯損傷は、バスケットボール選手にとって競技生命に関わる重大なケガです。
柔道整復師は、早期の鑑別、応急処置、術後のリハビリサポート、予防指導などを通じて、選手の安全な復帰を全力で支援します。

お悩み解説コーナー一覧へ戻る