前十字靭帯(ACL:Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節の中で太もも(大腿骨)とすね(脛骨)をつないでいる靭帯です。
この靭帯が損傷または断裂すると、膝がグラついたり、スポーツ動作に支障をきたす重篤なケガになります。
ジャンプ後の着地時に膝が内側に入る
ストップや急な方向転換(切り返し)時
無接触(誰ともぶつかっていない)でも発生しやすい
接触プレーでの膝のねじれや圧迫
受傷時に「ブチッ」「ポキッ」という音を感じることがある
強い膝の痛みと腫れ(関節内出血)
膝がガクガクする感じ(不安定感)
膝が伸びきらない、曲がらない
数日後に痛みは軽減するが、運動再開時にグラつきが残る
※完全断裂が疑われる場合は、整形外科への紹介が必須です(MRI検査・手術判断が必要)
ラックマンテストなどで靭帯の緩みを評価
腫れや圧痛、可動域のチェック
他の靭帯損傷(内側側副靱帯、半月板)との鑑別
RICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)
膝周囲の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリング)への筋緊張緩和や可動域回復
サポーターやテーピングで膝の安定性をサポート
筋力バランス・動作の修正指導(ニーイン防止など)
完全断裂では保存療法のみでの競技復帰は難しい場合が多く、手術が推奨されることが多いです。
再発予防のためには、体幹・股関節周囲のトレーニングや着地動作の改善が不可欠です。
成長期や女性アスリートはリスクが高いため特に注意が必要です。
前十字靭帯損傷は、バスケットボール選手にとって競技生命に関わる重大なケガです。
柔道整復師は、早期の鑑別、応急処置、術後のリハビリサポート、予防指導などを通じて、選手の安全な復帰を全力で支援します。